古文初学者の日記2

日記1に2つ誤りがあったので訂正しました。

1つ目はケアレスミスですが、2つ目は知識不足でした。

伝聞・推定の「なり」は終止接続、断定の「なり」は連体接続であるため、

例えば「男もすなる」であれば伝聞・推定、「するなり」であれば断定と判断できます。しかし伝聞・推定であってもラ変動詞に対しては連体接続をするため「あるなり」というような文の場合は判別が困難になります。

ただし「あなり」のような撥音便化が起こっている場合は伝聞・推定でよいとのことで、これは知りませんでした。

今後も誤りが判明し次第訂正していくつもりですが、どうか温かい目で見ていただければ幸いです。

 

日記2

 

けふも、日記をそこはかとなく書きつかむとて硯に向かへど、

そこはかとなく/とりとめもなく (連用)

書きつか/(未然)

む/意志(終止?)

向かへ/(已然)

ど/已然+ど 逆接確定条件

 

日あしければ、心もとなくして、ひねもすにえ書かざりけり。

あしけれ/悪い (已然)

ば/已然+ば 順接確定条件

心もとなく/不安で落ち着かない (連用)

して/(形容詞の)連用+して 単純な接続

ひねもす/一日中

え/え+打消 不可能

書か/(未然)

ざり/打消(連用)

けり/過去(終止)

 

日くらし文など読みて過ぐしたるほどに、日暮れぬれば、

 

日くらし/一日中

読み/(連用)

て/連用+て 単純接続

過ぐし/(連用)

たる/完了(連体)

暮れ/(連用)

ぬれ/完了(已然)

ば/已然+ば 順接確定条件

 

すべきわざもせねば、あさましきことなりけり。

 

す/(終止)

べき/適当(連体)

わざ/行い

せ/(未然)

ね/(已然)本活用

ば/已然+ば 順接確定条件

あさましき/おどろくほどひどい(連体)

なり/断定(連用)

けり/過去(終止)

 

かくて、六日の日の、丑の刻にこの文書きたり。

 

かくて/こうして

丑の刻/午前1時から3時

書き/(連用)

たり/存続(終止)

 

あなわびし やうやう明くらむ 春の夜

衾かぶりて いかでか寝ばや

 

あなわびし/ああ困った

やうやう/少しずつ

明く/明ける(終止)

らむ/現在推量(連体)

春の夜/一応季語のつもり

衾/掛け布団

かぶり/(連用)

て/連用+て 単純接続

いかでか/なんとかして

寝/(連用)

ばや/願望

 

 

主に参考にした文章

徒然草 序段

土佐日記

 

(約2時間半)

古文初学者の日記1

なんとなく、古文の作文をしてみようと思います。

まあ何事もアウトプットが大事と聞きますので。前置きを作り込んで気力尽きては本末転倒でありますから、手短に。

まず、タイトルにあるように私は「古文初学者」です。くれぐれも学習の参考などにはしないでください。読者としては、古文に通じる人が生暖かい目で見てくれたらいいなくらいに思っております。

また、脈絡なく現代語の文法単語を放り込みますが、可能であれば少しずつ古文のものに置換していきたいです。文法や言い回しの誤りについても同様です。

 

 

日記1

 

けふはひたぶるに日記をしてみむと、するなり。

 

ひたぶる/一心に

見/(未然)

む/意志(終止)

する/(連体)※誤って連用としていました。

なり/断定(終止)

 

しかあれど、言葉を世づかぬ言葉もてつがむとすれば、

 

しかあれど/そうはいっても

を/現代語

世づか/世間一般と同じである(未然)

ぬ/打消(連体)

もて/...で以って

つが/継ぐ(未然)

む/意志(終止)

すれば/(已然)+ば 順接確定条件

 

文の心言葉も常の心言葉しも異なるものとなりて、わが心を心ともせず書くなり。

 

し/強意

なりて/連用+て 単純な接続

せ/(未然)

ず/打消(連用)

書く/(連体)

なり/断定(終止)

 

いかで先達はあらまほしきこととおぼえければ、

 

いかで/いかで+願望 なんとかして

先達/案内

あらまほしき/あってほしい(連体)

おぼえ/感じられる(連用)

けれ/過去(已然)

ば/已然+ば 順接確定条件

 

かく書きたる人のおはしまさば、うれしきこと限りなくあれど、

 

かく/このように

書き/(連用)

たる/存続(連体)

の/主格

おはしまさ/いらっしゃる 尊敬(未然)

ば/未然+ば 順接仮定条件

限りなく/(連用) 本活用

あれど/已然+ど 逆接確定条件

 

いたらぬ隈なく求めるに、ゆめにおはしまさざりけり。

 

いたら/到達する(未然)

ぬ/打消(連体)

隈/影となる場所

なく/(連用)

求めるに/連体+に 逆接確定条件

ゆめに/ゆめ+打消 全否定

おはしまさ/尊敬(未然)

ざり/打消(連用)

けり/過去(終止)

 

しかありて、おのが力にてみづから文を書くべきことなれば、

 

しかありて/このように

書く/(連体)

なれ/断定(已然)

ば/已然+ば 順接確定条件

 

はかばかしうはあらねど、せむかたなし。

 

はかばかしう/優れている ウ音便(連用?)

あら/(未然)

ね/打消(已然)

ど/已然+ど 逆接仮定

せむかたなし/しかたがない

 

すべてはあやの文にくらき故にこそあなれ。

 

あやの文/装飾の多い文章

くらき/(連体) 本活用

こそ/強調

あ/(連体) 撥音便化無表記

なれ/推定(連体) 結び ※誤って「断定」としていました

 

全文

 

けふはひたぶるに日記をしてみむと、するなり。

しかあれど、言葉を世づかぬ言葉もてつがむとすれば、

文の心言葉も常の心言葉しも異なるものとなりて、わが心を心ともせず書くなり。

いかで先達はあらまほしきこととおぼえければ、

かく書きたる人のおはしまさば、うれしきこと限りなくあれど、

いたらぬ隈なく求めるに、ゆめにおはしまさざりけり。

しかありて、おのが力にてみづから文を書くべきことなれば、

はかばかしうはあらねど、せむかたなし。

すべてはあやの文にくらき故にこそあなれ。

 

参考にした文章

土佐日記 「門出」

・栄華物語 「花山たづぬる中納言

・「歌意考」(賀茂真淵)

・「百首贅々」序文(中井履軒)

徒然草 第五十二段

 

(約2時間)